調剤薬局を開業する時に、「やっぱり一人じゃ不安だからパートナーと組んでやろうかな~」とか、勤務先のオーナー社長が「○○くん、今度、いい物件があるから共同経営でやらない?」とか誘いを受けて共同経営の選択を考えるかもしれません。
結論から言うと「共同経営はやめておけ!」ですね。
まず、自分ひとりでやるのが不安でパートナー(共同経営者)と組もうとするケース。
気持ちはわかりますよ。
だって今まで何だかんだ言っても、会社の仕組みの中で仕事してたんです。自分では結構「仕事デキる奴」と思っていても、いざ会社を離れてすべてを一人で処理しないといけないとすれば誰だって不安になります。
会社にいる間は、どれだけ役職が高い人でも最後の責任というか、後始末は会社がしてくれるんです。
長く会社勤めをしていると、そのことを忘れがちです。
でも、いったん独立を考え、実際に独立の可能性が高まってきたら一気に不安が出てきます。
皆さんは、高層ビルの展望台に出たことありますよね?
ガラスに覆われてますね。高所恐怖症の人だと、あそこに立つだけで怖いんじゃないでしょうか?
ところでもし風は吹かないという条件で、あそこにガラスがなかったとしたら・・・。かなりの恐怖だと思います。ガラスがあるからこそ安心して、あそこで景色を見たり、食事したり、友達と会話できるわけです。
会社に勤めているときはガラスに守られてるんです。独立を意識するまではそのことにすら気がつきません。
でも独立するということは、あのガラスが存在しなくなることに気づくことでもあります。
独立にはそういった怖さが付きまといます。
「落ちたら、マジ死ぬ」みたいな。
僕もサラリーマンを辞めて、フリーになった時は不安で吐きそうになったこともありましたよ。
そう言った恐怖を和らげる目的の共同経営はやめた方がいいです。
本来、異なった能力をもった二人がタッグを組むことで強さが増す局面はあると思います。
でも、怖さから逃げるために薬剤師二人が組んでも何もいいことはありません。
そもそも、なぜ独立しようとしてるのか?
「人に使われることが嫌だから」ですよね?
「あるいは、たっぷり稼ぎたい!」とか・・・。
おそらくどちらかの理由だと思うのですが、共同経営だとどちらの目的達成にも支障が出ます。
利益は当然、折半になるし、経費の使い道でも絶対揉めます。
考え方も将来の方向性も違います。
そもそも独立を考えるくらいだから、皆さん「我が強い」です。
そんな「我の強い」二人が揉めないはずはありません。
僕の友人でも共同経営の薬局があります。
でも、やはりというか1店舗目で揉めて、次は別の法人興して2店舗目を別会社で単独経営してます。
それなら最初から一人で根性決めてやった方が後々、色んなことに煩わされないでいいと思います。
これも友人の薬局経営者の話なんですが、彼のMR時代の後輩が「薬局を経営したいので、先輩、共同経営者になって下さい。ドクターは見つけてあります!」
と、話を持ってきたことがあるんです。友人は後輩の面倒見がいい奴で、「俺は店舗運営はしないけど、出資金半分出してやる。店舗運営は自分でやってみなよ!」とポンとキャッシュを出して、法人を共同経営で興しました。
最終利益は折半の約束です。
詳細は書けないのですが、開業当初からいきなり月700枚くらい来る薬局になったのですが、共同経営者の方が「やっぱり薬局やめたいです・・・」みたいな感じになってきて、最後は出社拒否。(って、自分が社長の会社ですよ・・)
最後は他の薬剤師スタッフが不安になり、僕の友人のところにクレームの電話が入り出したみたいです。結局、本人に問いただしてみたら彼曰く「僕、やっぱりMRに戻ります。就職活動していいですか?」みたいな呆れた返事だったそうです。
結局、勝手に薬局を休んで就職活動。薬局も突然、「今日、休みます」みたいな状態です。もちろん、門前ドクターは営業してますよ。
友人はすでに複数店舗の経営をしていたので、その薬局の面倒を見ることができず、敢え無く薬局を売却して会社を清算しました。
もちろん、薬局売却先の選定。残った在庫の処分、雇用しているスタッフのケア、門前ドクターへの対応、テナントオーナーへの対応もすべて友人が手配しました。逃げた恥さらしな共同経営者は今でもMRやってるはずです。
友人曰く「サラリーマンとしてデキるやつが、経営者としてもやっていけるかは別問題やな」とポツリ。彼の背中が何とも寂しそうでした・・・。
この例は極端ですけど、結局、共同経営って多かれ少なかれ色んなリスクがあるというよい例です。いい時はいいけど、いったん悪い方に歯車が回ると制御不能にあります。
特に金がからむと人間本性が出ますよ。
僕も今まで何度も人間のおぞましい姿を見てきました。
まあ、そういうわけで共同経営はやめといた方がいいですね。
あ、それと勤務先の社長から、「○○くん、共同経営で薬局やってみる?」というのもやめた方がいいです。
僕は社長だからわかるのですが、経営者はお金を生み出す仕組みを欲しています。
誰かが人の管理や面倒くさいことをやってくれるなら、利益は少なくなっても気にしません。確実に毎月キャッシュを生み出す不労所得型の収益が出る装置が欲しいんです。(決して悪いことではありませんよ)
共同経営の話に乗ってしまうと、毎月の家賃のように、共同経営者に利益を持っていかれます。
フランチャイズのロイヤリティなんかも、ある意味共同経営と似ていますね。
ごくまれに親切心から、自分のところで働いてた薬剤師の独立を支援してくれる社長もいますが、ほんとうにマレです。
そんなときは、丁重に共同経営をお断りして、単独経営を提案してください。当然、相応の対価(お金)は必要です。
だって、社長にしたら、自分で手がけてもいい話をタダで他人に譲る必要ないですもんね。自分ところのスタッフだったからこそ、一番最初にその話を回してくれたんです。そのことに感謝して、誠意を持って単独経営で交渉してみて下さい。
最後にもう一度、「共同経営はやめておけ!!」
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