平成24年4月より、日本薬剤師会が提供する生涯学習支援システム、『JPALS』がスタートしました。
現在、登録者数は2万人を超えています。JPALSとは、Japan Pharmaceutical Association life long Learning support Systemの
略で、「ジェイパルス」と読みます。
JPALSはWeb上で利用するシステムで、e-ラーニングシステムと学習記録システムの2つが提供されます。これまでもe-ラーニングによる研修認定薬剤師制度はありましたが、何が違うのでしょうか?J
PALSではこの学習記録システムを「ポートフォリオシステム」と呼んでいます。前文でも「薬剤師人生一生分の学習記録を残すことを目指して」と謳われているように、このポートフォリオシステムがJPALSのメインとなるようです。
ポートフォリオと聞いて、「分散投資?」と思い浮かべる方のほうが多いのではないでしょうか。
日本では金融分野でよく使われる用語ですが、近年教育分野で注目されています。ポートフォリオとはもともと、「持ち運びができるように書類を入れるもの、紙ばさみ」のことですが、画家や写真家が自分の作品を持ち歩くときに紙ばさみに入れたことから「個人の作品集」を意味するようになり、そこから派生してさまざまな場面で使われるようになりました。
教育の場でポートフォリオとは、「学習者の学習成果を集めたもの」ということになります。
JPALSのポートフォリオシステムでは、自分が学習した内容を記録します。e-ラーニングや研修会などの受講記録だけでなく、自己学習や日常業務の中で得られた成果、薬剤師としての薬局外での社会活動なども記録します。自分自身で『これを学習した。記録に残したい。』
と思ったことを記録するのです。それによって、自分が何を達成したかを明確に自覚することができ、すると不得意分野やさらに伸ばしたい分野を見つけることが容易になり、次の学習のターゲットを絞り計画をたてることがスムーズとなるので効果的な学習が期待できます。
PALSを使いたいけれど、まず何をしたらいいのでしょうか?
JPALSを使用できるのは、薬剤師および薬学生です。ただし、学生は「クリニカルラダー」という評価システムは使用できません。
Webを利用したシステムですので、インターネットを利用できる環境が必要です。『日本薬剤師会生涯学習支援システム』のホームページへアクセスし、「ユーザー新規登録」を始めます。
その前に、「ユーザー新規登録の前に必ずお読みください」のページをよくチェックして、ご自分の使用予定の端末がシステムに対応しているかどうか、推奨動作環境をよく確認してください。
動作環境に問題がなければ、登録を始めます。氏名や生年月日やメールアドレス、薬剤師名簿番号や登録年月日などを記入し、JPALS用のパスワードを設定します。すると「仮登録のお知らせ」というメールが送られてきますので、そのメールに従って本登録を完了させます。これは仮登録完了後48時間以内に行ってください。本登録が完了すると、「ユーザー登録完了のお知らせ」というメールが届きます。このメールに、交付されたログインIDが記載されていますので、登録時に設定したパスワードと合わせてJPALSのページにログインできるようになります。
気になる利用料金ですが、日本薬剤師会会員であればポートフォリオシステム・e-ラーニングシステムともに無料で利用できます。
会員でない場合、ポートフォリオシステム利用は1年間1万円(学生は2千円)、e-ラーニングは薬剤師・学生ともに利用コンテンツごとの設定料金がかかるようです。また、ポートフォリオシステムのみの利用は可能ですが、e-ラーニングのみの利用はできません。クレジットカードもしくはコンビに決済で支払います。
このほかにも、クリニカルラダーという評価システムを使用する場合、レベル5を取得するときは認定料がかかります。日本薬剤師会会員は5千円、非会員は2万円です。
(レベル5まではかかりません。レベル6以上については、現在基準が設定されていません。)
JPALSがスタートしてもしばらくは登録せず様子見の薬剤師さんが多かったようです。
ポートフォリオシステム?クリニカルラダー?PS?とにかく用語がわかりにくい。いままでの認定薬剤師との関連はないの?認定薬剤師取得のためにこれまで積み上げてきたものは無駄になってしまうのか?
将来的には認定薬剤師との連携も視野に入れているそうですが、現時点ではまだつながりはないので、25年5月末までの過渡的措置として「平成24年3月31日現在、薬剤師免許登録時より15年以上経過している方」および「薬剤師認定制度認証機構の認証を受けたプロバイダー(日本薬剤師研修センターほか16機構)の認定を取得されている方」であれば、JPALSの最初の取得目標である「クリニカルラダーレベル5」を取得できるというのです。
後者の条件はまだしも、前者の条件を満たしていればレベル5が取得できるのはいかがなものか、という声はありました。しかし、前者の条件はJPALSそのものの認知を広げるのには非常に役に立ちました。無条件で取得できるうちに登録してしまおうと、締め切りを前に40代50代の薬剤師さんの加入が伸びたのです。
実際に使ってまだ間もない人が多いのですが、使ってみた評判は悪くないようです。これまでの出席してシールを貼るだけのシステムと違って、自分の学習を細かに記録できるので、何ができたかできていないかをすぐ見直すことができる。自分で学習計画を立てるのが難しい人
には、レベルごとの到達目標とそこに達しているかいないか自分で振り分けられるチェック機能がある。システム自体がまだまだ未完成ながらも、使いこなせば強力な支援システムとなるだろうと感じている人は多いようです。
ただ残念なことには、日本薬剤師会の会員でない人にはあまり周知もされていないようでした。非会員だと登録・維持そのものにお金がかかることもありますが、とにかく知られていません。
非会員の登録者数は1割に満たないようです。また、日薬の会員でないのにJPALSのことを知るような薬剤師さんはそもそも勉強熱心な方が多く、もう認定薬剤師を持っているからいらない、そもそも認定薬剤師の取得にも結構な金額が必要だったのに高い、といった意見が多く見られます。
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