先日、久々に今後の薬剤師にとって、ちょっとだけ良い話を見つけました。
皆さんの薬局では、現在疑義照会の内容はどの程度の範囲で行っていますでしょうか。
剤形変更や他の先発医薬品に変更する等のつまらない内容の確認ばかりで、肝心な薬の処方内容の疑義照会は少ないのではないかと思います。
今回は、そのようなつまらない疑義照会を撤廃する事に成功したある病院の話を紹介し、そこから思った事を記事にしたいと思います。
続きを読む前に応援クリックして頂けるとうれしいです!
先月、青海市立総合病院は47薬局で院外処方箋における6項目について疑義照会は不要にする同意書を作成し事前に取り決めを行いました。
6項目を具体的に言うと、同一成分のメーカー変更、剤形変更、規格変更、無料で行う半錠や粉砕、無料の一包化、貼付剤・軟膏の包装・規格変更に当たります。
実は今回が初めてではなく、既に京都大学病院、大阪の府中病院でも実施されており、それらを参考にして今回行動に移したそうです。
やはり、外来で大病院を受診すると最終的に薬局で薬を貰うまでにかなりの時間がかかりますよねー。
そこで、医療の業務効率化を目的に開始したのだそうですが、確かにこれはすごく良いアイデアだと思います。
これらの疑義照会の内容は医師側からしたら、全て「はい、どうぞ」としか答えはないようなしょーもない事ばかりであって、わざわざ手術中や診察中と多忙な医師の手を止めてまでして聞く事ではないものでした。
また、薬局側から見ても患者さんの待ち時間短縮に繋がりますので互いにメリットしかない試みだった訳です。
そもそも今回のこの試みは、プロトコルに基づいて行われる薬物治療管理(PBPM)の一環として行われました。
このPBPMというのは日本独自のやり方で、わかりやすく言ったら「病院の判断の元で決まり事を作るならば、薬剤師が行っても良いですよ〜」という事です。
まさに今の日本の薬剤師の権限のなさを象徴していますよね〜。
しかも、まだこのPBPMを実行されている病院はほとんどないのが現状です。
では、PBPMは今回の疑義照会以外でどんな内容があるのでしょうか。例として京都大学病院を見てみましょう。
そこでは、服薬状況による残薬、副作用等考慮して定期処方doオーダリングを入力できるプロトコルを作成しました。
つまり、医師の指示があればdo処方は薬剤師に入力を任されたというわけです。
これはかなり画期的な事ではないでしょうか。
このように、まだまだですが、少しずつ外来チーム医療に薬剤師が参加し業務が拡充してきたのではないかと思います。
皆さんはトレーシングレポートを活用した事があるでしょうか?ひょっとしたら、知らない人も多いのではないかと思います。
要するに、服薬情報提供書を用いて医師に薬局で得た患者の情報をフィードバックし、次回の診察・投薬に役立てていくものです。
薬学管理料の一つとしても服薬情報提供料があり、条件が満たせば算定する事が出来ますよね。
しかし、この条件を満たす為には一つ難点があり患者の同意が必要となってきます。
つまり例を挙げると、
薬剤師「今後あなたの飲まれているお薬で気になった事を医師に情報提供してもよろしいですか?少しお金が高くつきますが…」
患者「はい、お願いします」
果たして、このような会話が成り立つ患者なんて、まぁなかなかいませんよね〜。
このように、きちんと服薬情報提供料を算定している薬局なんてほとんどないに等しく、結果的に薬剤師は、トレーシングレポートに全く関心を持たなくなっていくという悪い方向に向かっていくのです。
話は戻りますが、PBPMを実行するには病院との信頼関係が必須となります。
その為には、実はこのトレーシングレポートの活用こそPBPMの一つとして最適ではないのでしょうか。
点数も取れない無駄な仕事と言ってしまえばそれで終わりですが、薬剤師が前に立つ手段の一つなので、このまま眠らせておくのももったいないと思います。
国も服薬情報提供料に関しては、やって当たり前の事だと思うので、最初から基本料を上げて全ての薬局がすべき事にしたら良いのだと思います。
日本ではPBPMですが、これはアメリカやイギリスで行われている医師と薬剤師の契約による共同薬物治療管理(CDTM)を参考にして作られました。
このCDTMをそのまま取り入れる事は、つまり処方や検査のオーダー等が可能になる事を意味しますので、どうしても日本でいきなり取り入れる事は出来なかったのです。
そこでまずは、PBPMで段階を踏もうと考えたのです。
今回のPBPMの一環である不必要な疑義照会の撤廃を皮切りに、トレーシングレポートも活用して薬剤師がどんどん医師とコミュニケーションを図っていき、チーム医療に参加していけるようになれば、おのずと日本もCDTMに変わる時がそれほど遠い話でもないように感じました。