患者さんから「ありがとう」とお礼を言われた時は、誰でも「あー薬剤師でなってよかったなー」とやりがいを感じるのではないかと思います。
特に、次回来られた際に「この前はおかげさまで良くなりました」と、お礼を言われた時が最も嬉しいのではないでしょうか。
それは、服薬指導によって患者さんが理解し、しっかり服用した結果と言っても過言ではないからです。
しかし最近、薬剤師の服薬指導ではなく、生活習慣指導についての研究を行い、何人かの糖尿病患者さんを対象に、薬剤師の生活習慣指導を6か月間行ってみた所、HbA1c値が下がったという論文が発表されました。
一体どうして下げる事が出来たのか、またそこから見い出す薬剤師の意義について考えてみたいと思います。
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この研究は大手調剤薬局チェーン店の協力により糖尿病患者に対して、ただHbA1c値を聞くだけのA群と、検査値を聞いてからさらに生活習慣改善の支援するB群に分けて実施されました。
B群に対して実際には、初回は生活改善の目標設定を行い、必要に応じて資料を配布します。
2回目以降は、目標状況を確認し褒めたり励ましたり、アドバイスを3分間程行ったそうです。
すると、驚く事になんとA群のHbA1cは8.7から8.4まで下がったのに対し、B群は8.7から8.0まで大幅に下がったのです!
しかも、糖尿病薬の剤数もA群は増えたのに対しB群は減ったのです!!
この結果は、生活習慣の改善がいかに大切かを証明してくれたのではないでしょうか。
しかし今現在、薬局現場での生活習慣指導はどの程度出来ているでしょうか?
内科でDoの患者さんには生活習慣指導をされている方もいるかと思いますが、殆どが服薬指導の割合を占めてしまい、特に繁忙店に関してはそれだけで終わってしまう傾向にあるようです。
事実、医師も患者さんも薬物治療の効果を望んでいるので薬剤師もそうならざるを得ない状況となるのです。
では、実際そこから患者さんの症状の改善はどのくらい見られたのでしょうか。
何年も同じ薬を使っていたり、また、違う薬に変更したりと試行錯誤を繰り返してコントロールはできるものの、なかなか改善された患者さんを見る機会は少ないのではないでしょうか?
ひどい時は少しずつ症状が悪化している患者さんもいるかと思います。
それは、ただ漠然と患者さんが薬物治療だけを期待しているだけで、生活習慣の改善が全く見られないためにこのような結果が生まれてしまうのです。
薬剤師が昔出来る事と言ったら、薬についての内容が第一であり、コンプライアンス・アドヒアランスを良くする事でした。
しかし、それは医師の補助的な役割に過ぎなかった訳です。そこに薬剤師が固執してしまったばかりに、本当に大事な事である「生活の質」を向上させる事を忘れてしまったのです。
海外の薬剤師は日本の薬剤師より社会的地位が高いとよく言われていますがこれは何故だと思いますか?
一概に言えるものではありませんが、一つとして日本の薬剤師の決定権が海外と比べて少ないが故に、こういった状況に陥ってしまったのだと私は思います。
海外の薬剤師の考え方は、真の目的は薬を売って薬の相談を受ける事ではなく、あくまで「生活の質」の向上なのだそうです。
よって、日本の薬剤師はもっと前に出て活躍するシチュエーションを増やしていかなければならないと思います。
その一つの鍵となるのが、健康を増進し発病を予防する目的で始動した「健康日本21」です。
これにより、生活習慣病について国民全員が意識するようになり、メタボリックシンドロームが認知されました。
最近は運動器機能低下による要介護を防止する為にロコモティブシンドロームも注意されてきています。
その健康日本21の情報提供に最も適した場所が、患者さんと実際に接触する薬局ではないかと思います。医師も接触しますが、やはりどうしても薬物治療が優先的になってしまいます。
その点、薬局は薬の説明も必要ですが、それ以外にサイドから治療法を考えてアドバイスしてあげる事もできるのです。
先程の結果に戻りますが、3分間検査結果に対して、食生活・睡眠・飲酒・禁煙・運動の5個のポイントを生活習慣指導に組み込んで、時にはサプリメントも推奨したりして褒めたり励ましたりしてあげるだけで症状が改善されるのです。
「健康日本21」でもあるように、超高齢化社会に伴い生活習慣病の予防として、今や薬剤師が中心となって指導していく事が望まれている時代なのです!
しかも、最近は検査結果を処方箋に記載している病院もあったり、血糖値測定も薬局で行う事ができるようになりました。
是非皆さんも、1度実行してみるのはいかがでしょうか?
たった3分間生活習慣指導を行うだけで患者さんの治療効果に貢献できるのです!病気を治療できる薬剤師になれば、きっと今以上にモチベーションも上がると思います!