少子化問題はいまだに止まる気配がありません。
原因として考えられるのはやはり、女性の社会進出に伴う晩婚化や晩産化と言われていますが、それ以外にも諸事情で出産を諦めている人も少なくありません。
諸事情とは、例えば持病の薬を毎日服用している為、妊娠・出産を諦めている方や妊娠に気づいてない時に薬を飲んでしまい中絶を考えてしまう方です。
これらの女性は、必ず「妊婦→薬→胎児に悪影響」と決めつける傾向があり、意外と医療関係者に相談する事もないのだそうです。(私的には「妊婦→タバコ→胎児に悪影響」と決めつけていますが…)
その事に重大な問題と感じた厚生労働省が、「妊婦と薬情報センター」を開設し、さらに全国25箇所に「妊娠と薬相談外来」を設置して、いつでも気軽に相談できる場所を設けました。
既に全国的に情報提供を行っており、なんと年間約2000件以上もの相談件数があるそうです。
しかも年々増えていく一方であり、こうなると今後もさらに相談所の需要が高まりそうですよねー。
今回は妊婦と薬に関して、薬剤師の新たな可能性について考えてみたいと思います。
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薬剤師であれば誰もが一度は妊娠と薬に関する相談を受けたことがあると思います。
そして、ある程度勉強もされてきたかと思います。
でも、果たしてどれだけ妊婦と薬について知っているでしょうか?
女性で出産経験のある方はある程度はわかるかも知れませんが、少なくとも私も含め男性陣は経験しない事なので、なかなか深くは入り込めない領域ではないでしょうか。
仮にこれらを勉強するにしても非常に奥が深く、かなりの知識と経験が必要とされます。
例えば、実際に妊婦が市販の風邪薬を1錠飲んでしまい薬剤師に相談しに来たとしましょう。
大概の風邪薬には禁忌と書いてありますので、普通なら直ちに中止する事をお伝えするかと思います。
でも、妊婦と薬について深く知っている薬剤師からすれば、禁忌の薬は必ずしも胎児に悪影響を与える訳ではなく、薬の治験で妊婦に対するデータがないから禁忌というパターンや、胎児の期間によっては投与に問題ないパターンもあるというような、リスクとベネフィットを考慮した判断を下す事ができ、それを自信をもって伝えることができます。
つまり、妊婦や授乳婦、ご家族にも安心を与えカウンセリングができるのです。そういったレベルの薬剤師を生み出す事を目的として「妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師」が発足されました。
取得することによって、妊婦に対しての調査やカウンセリングの実務を行う事が出来ます。
さらには最近、認定薬剤師をランクアップした「妊婦・授乳婦専門薬剤師」が発足されました。
ここまでくると、認定薬剤師が母体の特性や生理的な変化を知り、妊娠時期によって異なる胎児への薬の影響を深く知ることができるそうです。
そして、妊娠・授乳期の患者個々の症状や状況に合わせて薬物療法を医師、患者の両方に提案する事もできるようになるのだそうです。
現在、この2つの資格を合わせても、取得している薬剤師はまだ約100人くらいですが、そもそも、薬と妊婦については私達薬剤師が常にチェックすべき重要な項目の一つでもあるので、今後ニーズが高まっていきそうですね。
しかし、認定薬剤師を取得するだけでも様々な経験・実績・試験等があり簡単になれるものではありません。
薬剤師としての経験が浅い人、まだ実績のない人でも、妊婦と薬について知識を増やしたい方は沢山いると思います。
もう少しこの資格の段階ステップが増えたら、もっと取得者が増加すると思うのですが、まぁそれだけ重要な任務が期待されているという表れなのでしょう…ただ一つ言える事は、講習料を支払って「シール集め」で取得できる研修認定薬剤師よりは、よっぽど価値のある資格だと思いますね。(前回も散々愚痴りましたが)
このように、認定薬剤師の資格を取る事で当然産婦人科や妊娠・薬相談外来からの需要があります。
その際、医師と患者の間に入って薬物療法を安全に的確に行うための情報提供を行ったり、妊婦が妥当な判断ができるように支えたりと、昔の薬剤師では考えられない程の高度な任務をこなすことになるでしょう。
そしてその分、新しい命の誕生に自分が貢献しているという大きなやりがいも生まれるのではないかと思います!
私はこの分野において専門的な知識を持った薬剤師がもっともっと増えて、妊娠・薬相談外来や産婦人科だけでなく、近くの薬局で出産を諦めかけている人、中絶を考えている人のカウンセラーとなって薬剤師が活躍できるのが理想ではないかと思います。
結果的にそれが、将来のかかりつけ薬局と少子化対策に繋げる事ができるのではないでしょうか。
少し話が逸れましたが、もし転職を考えている薬剤師さんがこの記事を読まれましたら、こういった新しい可能性を秘めた薬剤師の道もあるという事を知って頂けたらと思います。