先日から書いていたコラム「医薬分業してよかったか?」の中で、
「医師を頂点とした強固なヒエラルキー」と「閉鎖された空間での圧倒的な権力構造は自ずと腐敗していく」ということについて述べました。 そして、それがもたらすもののひとつ「3、政治工作」がありましたね? たまたまのタイミングだったのですが、今回発覚した「徳州会の選挙違反事件」はまさに「政治工作」しかも院内や医療業界ではなく国政という次元でした。
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流れ的に僕が、徳州会の選挙違反事件を批判するかと思われるかもしれませんが、実際は全く逆です。
僕は基本的の物事の出発点を
「動機善なりか、私心なかりしや?」に照らしてみます。
徳田さんの自伝をかなり昔に漫画で読んだことがあります。
家が貧乏で満足な医療を受けさせてあげられず弟さんを亡くされたんですよね。
弟さんの死が徳田さんが一生背負う十字架になったわけです。
だから「生命だけは平等だ」の理念に基づいて全国規模の病院チェーンの構築を目指した。ここがスタート地点。
「動機善なり」です。
阪大医学部を卒業した後、すぐに銀行からお金を借りて、大阪府松原市に徳田病院を開設したんです。
そして当初の理念通り、「24時間救急患者を受け入れ」、「患者からの贈り物は一切受け取らない」、「差額ベッドの廃止」を断行します。逆を言うと、それまでの病院は「24時間の救急患者受け入れお断り!!」、「患者からの心づけもらって当たり前」の状態だったわけです。
その後、日本一の病院チェーンにまで育てあげました。当然、既得権益の権化のような「日本医師会」とはたびたび衝突したようです。今でも医師会の力や政治力って強いですが、当時は医師会の力が全盛期だったはずです。徳田さんの苦労たるや想像に難くありません。
そしてさらに理想の医療を追求するためには、どうしても政治力(国政)が必要だと悟ったわけです。問題はここからで、自らの出身母体の徳州会や関連企業の利益をそのまま選挙活動費用に流用していたんですよね。
実は過去にも国税からこのあたりのお金の流れを指摘されて、調査が入っているのですが、徳田さん自身はまったく、そのお金を懐にいれていなかった様です。
つまり、私利私欲は一切なかった。本人が政治家になったのも、すべては理想の医療を実現するためだったと言えます。
「私心なかりし」です。
今回は息子さんの選挙違反ですので、背景にあるものはわかりません。今後捜査が進めば明らかになるでしょうが、虎雄さんの関与がどうなのか?あるいは、「理想の医療の実現」という大義が置き去りになって、私利私欲の世界に突入してしまっているのか不明です。
ただ、僕個人的には、徳田さんが徳州会をつくっていなかったら、今の日本の医療サービスはもう少し患者にとって不便なものになっていたんじゃないかと思います。
また、徳田さんの理想の医療の追求のためなら、手段を選ばず、いかなる既得権益とも戦い、喜んで「汚名のそしり」を受けようという心意気は「漢」だな・・と思っています。
まあ、あくまで僕の個人的な意見ですけどね。
でも、これだけは大切なことです。
「私心なかりしか、動機善なりや」